毛虫の季節になりました。

新緑の美しい時期になりましたが、同時に毛虫などの害虫が発生する季節でもあります。

無害なものもいますが、刺されると腫れやアレルギーをおこす毛虫もいます。

それだけでなく、せっかく育ってきた庭木が食害され、無残な姿になってしまいます。

そこで、早めに見つけ、退治しましょう。

 

庭に発生しがちな毛虫
チヤドクガ   刺す毛虫

 主にツバキやサザンカによく発生し、この毛虫の発生が庭木としてのツバキやサザンカの最大の欠点とすらいえるほど、近年都市部でもっとも問題の大きい毛虫です。

 幼虫は生育の全期間を通じて集団で生活し、成長すると体長が25mmほどになります。ツバキやサザンカの葉に毛虫が群がっていたら、まずこの毛虫と考えて間違いありません。人を刺すのは目立って長い毛ではなく、からだ中に50万本もある微細な毒針毛です。毒針毛は幼虫が脱いだ皮(脱皮殻)にも長い間残りますので、冬に樹を剪定しても刺されることがあります。

 年2回発生し、葉の裏に生みつけられた卵塊(黄色の毛玉状)で越冬し、幼虫は5月のゴールデンウイークのころの孵化します。幼虫は頭を並べて集団で葉を食べますが、冬のうちにたんねんに卵塊をさがして除去したり、幼虫のまだ小さいうちに葉を切り取って踏みつぶすのが家庭では効果的な防除法です。幼虫が大きくなると集団がいくつにも分かれ、被害が樹全体に及び、除去は危険です。ただし、たいていの家庭用殺虫剤は、ほとんどの庭の毛虫に効果があります。6〜7月ころに成虫が羽化して、また産卵し、8〜9月に2回目の幼虫が発生します。それが成長して9〜10月に羽化した2回目の成虫が生んだ卵が越冬します。 幼虫がサナギになるとその表面やマユに毒針毛がベタベタついていますし、雌成虫は羽化すると腹の先に毒針毛をまとめてつけて飛びたち、それを卵塊になすりつけます。このためチャドクガは、幼虫ばかりでなく脱皮殻やサナギや成虫や、卵まで人を刺します。

 チャドクガの毒性は次のイラガよりはやや弱いものの、刺されるといつまでも激しいかゆみが残り、それが2〜3週間も続きます。また、刺されたときの痛みはほとんどなく、あとからヒリヒリした痛みと強いかゆみでそれとわかるのでやっかいです。この毛虫に刺されたとわかったときは、その場所にセロハンテープを貼って毒針毛を取り、そのあと長く流水で洗い流すのがよく、手でこすったり掻いたりするのは最悪です。抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗り、症状がひどければ抗ヒスタミン剤を内服します。何度も刺されるとアレルギー症状を起こし、全身に症状が見られることもあります。

若齢幼虫

サザンカの食害痕

終齢幼虫

イラガ   刺す毛虫

 庭にいる有毒の毛虫としては、ドクガの仲間と並んで刺されることの多い毛虫です。イラガの仲間の幼虫は英語でスラッグ・キャタピラー (ナメクジいも虫)といい、脚がほとんどなく、ナメクジのように腹面全体で這い回ります。いろいろな種類がありますが、とくに庭で多く見られるのが本種と次のクロシタアオイラガです。イラガの幼虫は成長すると体長が25mmくらいで、小ぶりながら、写真のようにからだに多くのトゲを持った肉質の突起があり、まるで武装した戦車のようです。このトゲは中空で体内の毒腺につながっていて、刺すと同時に相手に毒液を注射します。

 ドクガの仲間は毒針毛の毒物質による“かゆい毛虫”の代表ですが、イラガの仲間は毒液の注入による“痛い毛虫”の代表で、刺されると、電撃的な痛みが走ります。刺すのは幼虫だけで、成虫などは無毒で、また、刺されたあともドクガの仲間よりは回復が早いのですが、刺された瞬間の痛みは二度と忘れられないほどです。イラガの幼虫はいろいろの樹木の葉を食べますが、とくによく見られるのは カキ・サクラ・ウメ・アンズ・ケヤキ・カエデ類・ヤナギ類・クリ・クルミ・ザクロなどです。

 通常年1回の発生ですが2回発生することもあります。幼虫は7〜8月から 10月ころにわたって見られます。

イラガの終齢幼虫

クロシタアオイラガの終齢幼虫

アオイラガの終齢幼虫

ヒメクロイラガの終齢幼虫

アメリカシロヒトリ   刺さない毛虫

 戦後間もなくアメリカから渡来した有名な侵入種。年2回(一部3回)の発生で卵で越冬し、幼虫は5〜7月と8〜9月に出現します。

 幼虫は中齢期まで葉を糸で覆って巣を作って集団で生活するため、よく有毒のチャドクガが本種に間違われますが、これは危険な誤解です。本種まったくの無毒で、ツバキやサザンカに寄生することもほとんどありません。しかし食性は広く、サクラ、ヤナギ、カキ、プラタナス、ミズキ、アメリカフウなど百数十種の樹木の葉を加害します。とくに、しばしば大発生を起こし、街路樹や公園樹木を丸坊主にする都市型の鑑賞樹の害虫として知られています。

アメリカシロヒトリの幼虫 産卵中のアメリカシロヒトリ

 

防除方法 なるべく早めに対処しましょう。あっという間に葉を食べられてしまいますよ。
(1) 少数の場合
少なければ、割り箸などでつまんで取り除いてください。でも油断しないで下さい。葉の裏などにもいるのでよく確かめてください。
(2) 集団して生息している場合
集団して生息しているうちであれば、高枝ハサミなどを用い枝ごと切り取り、熱湯をかける、燃やす、殺虫剤を散布する等で駆除する、または、棒の先にぼろ布を巻き灯油をしみ込ませた物に火をつけ、巣の部分を焼く。
(3) 分散してしまった場合
 ヂィプテレックス、スミチオン、カルホス、DDVPの乳剤か水和剤1,000倍液を散布する。なお、老齢になると薬剤は効き難くなります。
  ☆ 入手が容易な園芸薬剤を用いる場合
殺虫剤:スミチオン乳剤、スミソン乳剤、マラソン乳剤、ポロポンB など

弊社では薬剤の散布を承っております。(神戸市明石市近郊・3000円から6000円ぐらいです)ご遠慮なくお申し付けください。
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