病中害の予防と駆除

1.植物の病気

 植物の病気は70%〜80%がカビによるものだと言われます。 残りがバクテリアや人間のようにウイルスによるものです。  また病気のように見えても原因が虫によるものも多く、また多く の病気は虫が媒介するので虫を駆除することで病気が防げる場合が あります。  そして、いったん病気にかかって被害を受けた葉や茎は治りませ ん。殺菌剤として市販されている薬のほとんどが、病気が広がるの を防ぐためのものだと思ってください。  ウイルス性の病気などは、治療の方法がほとんど無く、焼き捨て るなどの処置をして広がるのを防ぎます。土に菌が入ってかかる病 気については、土を殺菌したり、替えたりして防ぎます。  植物は再生の能力が高く一度落ちた葉もまた生えて来ます。傷つ いた枝も表皮もゆっくりと直って行きます。要は丈夫に育てること を大切にする事です。

病名 写真 状態と原因 被害植物 防除方法
うどん粉病

葉や茎に白色絹糸状の斑点ができ、しだいに白いカビが生えて、うどん粉をまいたようになる。被害の葉は奇形になったりする。

春から秋にかけて発生。高温多湿。通風不良。日照不足のときに多い。気温25度前後。

キク ダリヤ バラ ボタン など

ベンレート

トップジンM

モレスタン水和剤

硫黄剤

カラセン

すす病 葉や茎がすすのようなカビで全体を汚染する。アブラムシ・カイガラムシの排泄物に生えるカビ。 ミカン・カキ・サルスベリ・サザンカ・クチナシ・キク・洋ランなど

殺虫剤

スミチオン

マラソン

ペンレート

トップジンM

胴枯病   枝や幹の部分がへこんだり、外皮に割目ができ、黒褐色になって枯れる。        春から秋に発生する。被害部は切り捨てる。 バラ・ぼたん などりんご・ナシ・モモ・ブドウ・クリなどの果樹 日やけ防止も大切          土壌消毒もする
菌核病   茎の途中の部分がおかされ、その上部は枯れ、枯れた部分に黒いかたまりができる。二十度以下の比較的低温時に発生しやすい、発生地では連作をさける。温室やハウスでは大発生しやすい。 アネモネ・キク・ガーベラ・イチゴ・トマト・ツバキ・ナシ・リンゴ・モモ NCS剤の土壌消毒       発生をみると1-2回         プロシミドン剤かクロゾリン剤を
紋羽病   地上の発育が異常に悪くなり枯れる。根は菌糸におおわれる。一度発生をみるとそのあとも発生する。 バラ・ボタンや花木・果樹など 被害株は取り除き土壌消毒をする。
すす点病   飛散する胞子によって感染する。五月中旬〜七月下旬に付着して八月下旬〜十月中旬に病状が現れる。ブドウの果実に小さな黒点が沢山現れる。 ブドウの大敵 ペンレート水和剤            トツプジンM水和剤   
ネコブ病   アブラナ科(以前は十字花科)の野菜の根に病菌が侵入して大きなこぶを作る。地表から深さ五十センチまで分布し三十センチぐらいの範囲に多く生息する。休眠胞子の状態なら土中で七〜八年以上、水中でも一年六ヶ月以上生き続けられる。活動に適した地温は十八〜二十五度で九〜三十度なら発育できる。このため永年休耕地水田転作の新しいところにも突然発生したりする。 アブラナ・ナズナ・ストックなど 石灰または石灰窒素を土壌に混入して、殺菌剤のPCNBかダコソイルを併用する。アブラナ科以外の輪作によって菌密度を下げる。
赤星病 葉の表面に褐色のしみができ、しみの葉裏には毛状のものが生える。冬期病原菌がカイズカイブキやビャクシン類寄生(分生胞子)し、ナシ・カリンなどに病菌がつく。 バラ・ボケ・カイドウ・ヒメリンゴ・バラ 二月に石灰硫黄合剤・ジネブ剤を2〜3回、数日おきに
もち病   葉が火ぶくれ状に厚くなり、その上に白いカビができその後枯れる。発生は四月〜六月九〜十一月。 ツツジ類・サツキ・シャクナゲ・ツバキ・サザンカ おかされた葉をつみとる。   冬期石灰硫黄合剤
さび病   葉に黄褐色の斑点ができ触れると鉄さび状の粉がつく。風通しや日当たりのよくないところで、発生しやすい。              初夏から夏にかけておおい。 アネモネ・カーネーション・キク・ユリ・バラ・芝生 ダイセン、マンネブダイセン一週間〜十日おきに四〜五回。キクはサブロールかブラントラックス
         
         
 

病気の防除法

  1. 日当たり、通風、施肥などに注意して、植物を健全に育てる。
  2. 罹病株を持ち込まないこと。
  3. 罹病株の除去(切除、抜取り、隔離など)

  4. 環境整備(落ち葉の清掃、用土の深耕、客土、交換など)
  5. 農薬による防除

    *植物の病害は、発生してからでは遅いので、発生時期、発生部位を考慮して、予防的に防除する。

なお弊社では薬剤の散布を承っております。(神戸市明石市近郊・3000円から6000円ぐらいです)ご遠慮なくお申し付けください。

 

2.植物の害虫

   植物にとって害虫といわれるものは種類が多く、加害の仕方もそれぞれに特徴があります。 植物を食害したり樹液を吸収したりして直接加害するものや、間接的に伝染病を媒介するものなどさまざまです。

害虫名 写真 生態と発生期 被害植物 防除
シャクトリムシ  

シャクがの幼虫で腹部中央の腹脚を欠くため特異な歩き方をする。毛が少なく、体を伸ばして静止状態のときは枝と見分けにくい。葉を加害する。五月〜六月に発生。 ヤガ科につぐ大きな科で種類も大変多く、また種類によって被害植物も異なる。                

ナシ・リンゴ・ウメ・モモ・サクラ・ヨモギ・キク・サンゴジュ・ホオノキ・トチノキ・イヌガヤなど

スミチオン

カルホス

NAC水和剤

ミノムシ  

ミノがの幼虫で葉や小枝などを糸でつづり蓑をつくり幼虫時代をその中で過ごす。 雌は一般にうじむし型で一生を蓑の中でおくる習性がある。           

六月〜九月の幼虫移動期が好期です。

各種植物の葉花、樹皮などを食べて成長する。

カルホス乳剤              

十二月〜一月には機械油乳剤捕殺

ハムシ   幼虫は葉・茎・根を食害し、成虫は葉に穴をあけて食害する。 ダイコン・キャベツ・ウリ類

オルトラン             

スミチオン             

DDVP                  

ガットサイドS 

コガネムシ   初夏に現れ六月〜七月に新葉を食い荒らしたり樹液を吸う。幼虫は土中の根を加害する。同じ仲間のカナブンは樹液やモモ・ビワ・ナシなどの果汁も吸う。 ナラ・クヌギ・ダイズ・シバフなど

カルホス                               

スミチオン

ハマキムシ ハマキがの幼虫で糸を出して葉ロール巻きしたり折り曲げたり、ニ・三枚の葉をつづけて、その中で生活する種や、頂芽中心に数枚の新葉をつづったり、果肉内に潜入したり茎や根内に穴をあける種もある。 モッコク・カシ・チャカエデ・リンゴ・カキ・ナシなど

カルホース

エストック

スミチオン

EPN 

マラソン

ダイアジノン      

アメリカシロヒトリ 卵は500ー1000個葉裏に産み付け幼虫は6-7月、成虫は7-8月

第二化期の幼虫は8-9月、さなぎで越冬して5-6月に羽化する。

プラタナス・サクラ・ポプラ・ヤナギなどを食害する。 カルホス

エルサン

巣を焼却する

切り取るか、竹の先の布に石油を浸し火をつけて焼殺する。

カイガラムシ  

枝・幹・葉などに白い綿状で覆われて寄生する。つぶすと赤い汁が出る。

6-7月にふ化し6-9月に移動するのでこの期が殺虫の好期。

12月には幹へ移動しロウ物質で覆って越冬する。

ツバキ・サザンカ・ナシ・テン・サルスベリ・バラなど オルトラン

カルホース

アンチオ

スミチオン

エアークック

ボルン

アクテリック

12-1月には機械油・乳剤・石灰硫黄合剤

歯ブラシなどで書き落として焼却

         

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