植え込み・水やり・剪定など
庭木の手入れ
植え込みの時期は、庭木の成長過程によって決まります。基本的には、成長が止まる休眠期から発芽する前までが、いちばんよい時期。木に負担がかかる真夏は、避けたほうが無難です。
また、移植する場合、若木は成長が旺盛なので比較的簡単です。一方、老木や大木は難しくなります。ただし、樹種によってかなり違うので、移植が可能な木かどうか、プロに見てもらいましょう。
移植するときの注意は、根に水分が十分いきわたるようにすること。土と水が隙間なく根にいきわたるように植えるとよいでしょう。
樹種ごとに見ていきましょう。
落葉したあとから、新芽が芽吹くまでの期間が適しています。根堀り・根巻きが、半年から一年かけて施されている木は、これ以外の季節の植え込みも大丈夫です。ただし、夏場は水分が不足しがちになりますので、その後水やりをしっかりしましょう。
新芽が芽吹く前の4月と、芽吹いたあとの6月中旬から7月上旬が適しています。落葉樹と同様、根堀り・根巻きをしている木は、厳寒、厳暑をさければいつでもできます。
新芽が芽吹く前の2月から4月、または10月から11月が適しています。
どんな庭木も、植え込み後2ヶ月間は毎日、朝または夕方にたっぷりと水やりをします。
特に真夏は、朝早い時間と夕方の2回行うのが理想的です。ただし、日中の水やりは禁物。水がレンズの役割をして、葉を焼いてしまうからです。
冬は1週間に1,2回程度で十分です。
水不足こそ、庭木の枯れる最大の原因です。土の表面だけに水が流れていて、根の先までいきわたっていない状態では、本当の水槍とはいえません。日本の気候では、根腐れはめったに起こりません。水分はたっぷりあげてください。
* 水量の目安
木を植え込んだときに、根元のまわりにできた地面の窪みを水鉢といいます。水鉢がある木の場合は、そこになみなみと水が溜まるくらい水をあげます。
水鉢がない場合、例えば樹高が3mを超える木なら、1本につきホースの水を5分ほど出しっ放しにします。
水やりの量の過不足は、土に指を入れ、中指の第2関節まで濡れるかどうかで判断できます。濡れていれば大丈夫です。
30坪の庭なら、夏場の水やりには1時間半くらいかかると思ってください。
ポイントは、庭木を植えた年の夏の水やりです。ここでしっかり水を与えておくと、その後の成長がよくなります。植えた直後の夏に3日以上家を空ける場合は、必ず水やりの手配をしましょう。
水分の蒸発を防ぐために、土の上にバークチップや稲わらをなどを敷いておくのも一案です。
スプリンクラーのような自動散水システムを設置すると、それだけで安心してしまうことがあります。
しかし、設置当初の水の通り道が、木の成長によって妨げられ、奥の木々まで十分に水が届かなくなってしまう場合があります。定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。
木の枝を切る作業を剪定といいます。剪定は木の成長を促し、花づきや結実をよくします。また樹形や美観を整えるだけでなく、害虫予防の効果もあります。
一般的にツツジやモクレンなどの花の咲く木は、花が終わると同時に剪定します。夏以降に剪定をすると、翌年の花づきが悪くなってしまうからです。
剪定は素人でもできますが、マツなど仕立てが難しい木はもちろん、成長途中の若木など、樹形をよくするためには、プロに頼むとよいでしょう。
葉が落ちたあとから新芽が芽吹く前までにしましょう。新芽が出る季節や夏場の選定はやめましょう。
1年に2回、7月と10月にするのが理想です。1回なら10月にしましょう。虫がつかないように、風通しをよくするのがポイントです。
樹形を保って成長するものが多いので、ムダな枝を刈り込む程度で済ませます。また刃物を嫌うため、大きくしたくないときは、新芽を手で摘むととよいでしょう。
一度枝を切ると、そこから新しい枝は生えてこないという性質を持っています。伸びすぎたからといって、本枝を切断するのはやめましょう。樹形が悪くなる原因になります。
葉があちこちの枝で枯れている場合は、枯れた葉を取り除いて新しい芽が出るのを待ちます。
枝の一部分の葉だけが枯れている場合は、枝を折ってみましょう。ポキンと乾燥した音がして折れたときは、枯れています。剪定は枝の根本近くでします。
特に落葉樹は、新芽の時期に枝の一部が芽吹かずに枯れてしまうことがあります。この場合、枯れているのは枝だけ。木そのものが枯れているわけではありません。枯れた枝を剪定すれば、新しい枝が出てきます。
また、幹を揺らしたとき枯れた枝がパラパラと落ちてくるようなら、その木は枯れていません。葉をすべて落としてしまい新しい芽が芽吹くのを待ちます。揺らしても葉が落ちてこない木は、完全に枯れていると思ってください。
施肥は、栄養をなくした土を元気にするためにします。基本的には庭木の休眠期、1月から2月と花が終わったあとが施肥時期です。しかし、植え込みをした年の木には肥料を取り込む力がないため施肥は必要ありません。夏場も肥料やけしてしまうのでしないこと。
肥料を与えたからといって、毎年花が満開に咲くとは限りません。花を咲かせるためには、エネルギーがいるのです。1年おきぐらいで考えてください、。
害虫に対しては早期発見、駆除を心がけましょう。害虫は5月から6月と、9月から10月に最も多く発生します。被害を最も少なくするためには、成長する前に取り除くか、見つけた時点で駆除するしかありません。
木に勢いがない、葉が汚れている、コブができていないか確かめましょう。
殺虫剤を使わずに退治できる虫もいます。例えば、カイガラムシは歯ブラシでこすりとります。青虫や毛虫は、割りばしを使って取り除くとよいでしょう。ヨトウムシなどの夜行性の虫は、夜に懐中電灯で葉を照らすと見つけられます。
また冬の間に卵やさなぎを見つけ、退治しておきましょう。
害虫を寄せ付けないためには、混みすぎた枝を剪定したり、雑草などの下草を取り除いて、風通しと日当たりをよくすることが肝心。
殺虫剤には即効性のあるスプレータイプと、ゆっくり効き目が現れる錠剤があります。錠剤は月に一度、根元にまくと効果的です。スプレータイプと併用して使うとよいでしょう。
芝は手入れがとても大変な植物。手入れができてるかどうか、芝に適した環境がどうか、よく考えてから植えるようにしましょう。芝には、冬に枯れる和芝と一年中緑を保つ洋芝があります。ここでは、和芝のひとつで最もポピュラ−な高麗芝の手入れについて説明します。
芝を美しく保つには、毎日水やりをするのが基本です。
芝刈りは、新芽が芽吹き始めた春から10月頃までに定期的に行います。一週間に一度が理想的です。刈ることで芝に日光を当てられ、病害虫の予防にもなります。
雑草はこまめに抜きます。除草剤は葉を傷めるため、冬枯れ時の1月にしか使えません。
芝の芽が詰まって雑草が取りにくくなったら、10cm間隔に刺し穴を開け、根を切ります。これをしないと地面が固くなり、芝の生育が悪くなったり、色あせたりします。この作業は、芝生を植えてから1〜2年すると必要になります。刺し穴は薄く目土をかけてふさぎ、堆肥を与えます。
目土は発根を促し、新芽の伸びをよくするために、春先にまきます。肥料は春先から10月にかけて、1〜2回与えるようにしましょう。
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